熱中症に要注意!
2015/07/17
犬の基礎知識
犬の体温は人間よりも2度ほど高いです。
小型犬は人間より2℃ほど体温が高いと覚えておいてください。
40℃を超えてくると熱があるなとなります。
地球温暖化、異常気象などと騒がれ、人間でさえ熱波で沢山の人が亡くなっています。
犬にとっても非常に厳しい気温が続く夏は特に注意が必要です。
昭和初期頃の犬の飼育方法はほとんどが室外飼育です。
犬小屋は暑いので犬小屋の下の日陰部分を掘り下げ地中温度の低さを利用し夏をしのいでいたという風景を年輩の方は想像できると思います。
しかし現代では多くの犬が室内飼育へと変化しています。
室内でのお留守番で「熱中症」になってしまう事故が近年多く報告されています。
犬種により、リスクの上昇値も変わり、短吻犬種(ブルドッグ、バグ、シーズ等鼻の短い犬種)や、寒冷地原産の被毛が厚い子などは熱中症によりかかりやすいです。
犬は人間のように汗を大量にかき、発汗による体温調整ということが出来ません。
犬の汗腺はそのほとんどが肉球に集中しています。
肉球の面積だけで体温調整などほとんどできません。
ですので、体温が高くなると、舌を出し、早い呼吸で「ハアハア」と唾液を気化させることにより熱を放出しています。
この気化できるというのはとても重要で、クーラーをかけていても湿度が高いと気化しにくく、熱交換がしにくいということが起こります。
暑くてもカラッと湿度が少ないほうが気化しやすい環境となります。
ジメジメした熱さとカラッとした熱さを考えればカラッとした熱さの方が楽ですよね?
ジメジメした熱さは汗をかいても乾かないので、体温が下がりにくい。
カラッとした熱さは汗をかけばすぐ乾くので体温を下げやすい。
経験したことありますよね?
暑さをしのごう
ではこの暑さをどのように凌いでゆくか?ということを考えます。
まずは室内に直射日光が入らないように日中でも遮光カーテンをしておく。
ケージは窓際からできるだけ離す。
そして風通しを良くしてやる。
十分な水を用意してやる。
ということが重要になります。
クーラーをつけてやれば大丈夫だ!
普通の方はこれで大丈夫だと考えます。
クーラーが無いよりも有ることに越したことはありません。
しかし、クーラーを掛けると湿度はほとんどの場合上がってしまいます。(なぜ上がるかは別サイトでお勉強してください^^;)
湿度が上がると気化しにくくなり温度交換がしにくくなります。
ただつけるのではなく、除湿ということを考えコントロールしてください。
除湿、ドライ機能などがあればそちらで対処する場合が良いという場合が多くあると思います。
冷えた空気は下に、熱い空気は上に行きます。
クーラーをつけた場合、冷えすぎることにも注意が必要です。
最近流行の人感センサーにも注意が必要です。
人には関知しますが、犬などには反応の薄いものもあります。
反応しないとどうなるか?最悪クーラーが止まります。
犬は暑くて動きたくない、クラーは反応する動きがないので停止。この事故は実際に起きていますので、説明書をよく読み対策を立ててください。
そして怖いのが停電です。
クーラーのほとんどは自動復旧しないと思われます。
落雷等で停電し、電源が落ちたまま数時間経ち、室温が上昇し、熱中症になったという事故は良く聞く話です。
そして次に空気を動かしてやるということを考えましょう。
お留守番している犬はほとんどの子がケージの中でお留守番していると思います。
クーラーだけでは対流の起きない場所も出来てしまいます。
そこがペットの居場所ならば空気が動かずに湿度がその周辺だけ上がっているという場合も考えられます。
ですので、室内の冷気と、湿度を分散するということも考え扇風機も併用することが最良です。
クーラーの停電リスクを考えるならば、扇風機はアナログのボタン式がいいです。
扇風機までマイコン制御だと、停電時にどちらも止まります。
アナログ式の扇風機なら通電すれば稼働しますのでもしもの時の命綱になる場合があります。
犬がハアハアと唾液を気化するということは、体の水分は気化により減るほうが多いということになります。
そこで飲み水が不足すると気化のための水分が不足しますので、脱水症状を起こすということに繋がってきます。
飲み水は1か所ではなく複数個所用意してあげてください。
そして最近は色々な対策グッズも多種多様に販売されています。
大理石マット、アルミマットようなものもあれば、保冷剤も多種多様。
ケージに取り付ける扇風機まであります。
保冷材を利用したひんやりベッド、保冷剤をバンダナのように首に巻きつけるものなどは散歩には良いと思います。
対策していても熱中症になった場合!
まず体温を下げてやることが一番肝心です。
あたふたと何の処置もせずに獣医に走っても到着するまでは危険な状態が継続します。
まずは何をするべきか?
①洗面所やお風呂に連れて行き水を掛けて体温をまず下げてください。
②扇風機で濡れた体を乾かすことにより、気化熱で体温を下げます。
この時無理に水を飲ませると脱水症状で弱った体が誤嚥を起こしたりしますので、飲める場合を除き無理に飲ませない方が良いと思われます。
この応急処置を行ってから保冷材等で体を冷やしながら獣医に行くように心がけてください。
獣医では水分補給に点滴を入れたり、保冷剤で体を冷やしたりしてくれると思います。
日中の散歩などはくれぐれも控えてくださいね。